リデル・ハート『戦略論』の翻訳いじり(続き)

 引き続き、リデル・ハート『戦略論』の訳本(1971年刊)を回顧して嫌味を言っています。

  • 122ページ。「スヘルデ河(オーストリア)方面の戦い」という、わが目を疑うような訳注があります。まあ、今のベルギーは、当時はオーストリア領なんですけどね。
  • 同。「キャスルレー子爵がある山頂で行なった主張は」。原文は、"Castlereagh's uphill advocacy"です。キリスト様ばりに「山上の垂訓」ですか。改訳案は「外相カースルレーが強い反対を押して(スペインへの派兵を)主張したことは」。まあこれも字引の性能の問題なんですけどね。