2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

リデル・ハート『第二次世界大戦』の不必要な注について

もう止めるつもりだったが、始めるときりがありません。126ページ、ドイツ軍のベルギー侵攻のくだり。 次いでヘーブナーの〈第一六軍団麾下の〉二個師団〈第三および第四装甲師団〉[*8]が、爆破を免れた橋を押し渡り前方の平地へと展開した。装甲師団破竹…

リデル・ハート『第二次世界大戦』の不必要な注について

次へ行きましょう。62ページ冒頭のパラグラフの中程。 北方では、(クルーゲの第四軍麾下)グデーリアンの装甲軍団(第一九自動車化軍団)[*3]〈キュヒラー軍の先鋒〉がナレフを渡河し、ワルシャワ後方ブーク川の布陣に攻撃を加えていた。 In the north Gu…

リデル・ハート『第二次世界大戦』の不必要な注について

次へ行きましょう。前回と同じパラグラフの中程。 右翼のリスト軍の任務はクラクフめがけて突進すると同時に、クライストの装甲軍団[*2](第二二軍団)を用いて山間部を踏破し、カルパチア山脈寄りのポーランド軍の側面を回ってその背後へ出ることだった。…

リデル・ハート『第二次世界大戦』の不必要な注について

まず申し上げますと、前回の最後に「言語道断なテキスト改竄」があると書いたのは不正確でした。凡例に、 本文中で、〈……〉とあるのは原著者が、(……)とあるのは訳者および編集部が補足したものである。 とあるのを忘れていました。したがって前回の最後の…

リデル・ハート『第二次世界大戦』の地図

1999年に再刊行されたリデル・ハート『第二次世界大戦』は丁寧な作りの本で好感が持てるが、ただひとつ、原著の地図を作り直した仕方が、本文をかえって読みにくくしています。 原著には、すべてCopyright(c)Cassell & Co. Ltd. 1970とクレジットがついた地…

古本文庫には変な葉書がはさまっている

たとえば今日わたくしが何の気なしに買ってきた文春文庫『金子信雄の楽しい夕食』(1991年12月10日)には、 結婚情報ommg 全国78都市83支社を結び、60,000人の中から選ぶパートナー 結婚だけが人生じゃない、とつっぱれるほど私は強くない 一週間で二名以上…

映画「ペリカン文書」のニューオリンズ

映画「ペリカン文書」(1993年)をつい先頃DVDで見ました。原作を読まずに見たのですが、自分自身に対してちょっと恥ずかしい思いをしました。 わたくしはどんなフィクションでも、その舞台がどこかわからないと筋に入り込めないという性癖があります。とこ…

『ベルセルク』19巻の「まぐわる」

『ベルセルク』は単行本がまとまるごとに楽しく読んでいます。以下は、19巻のある箇所の言葉づかいについての話です。 あのマンガはほぼ全ページが裁ち切りなのでページ数を示してもあまり意味がありません。「野望少年」の回の黒ミサの場面で祭司のせりふ。…

反対語

殿上人(てんじょうびと)と地下人(じげにん)が反対語だって知ってました?