古本文庫には変な葉書がはさまっている


 たとえば今日わたくしが何の気なしに買ってきた文春文庫『金子信雄の楽しい夕食』(1991年12月10日)には、

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文春文庫12月


という葉書がはさまっていました。


 うーん、私はああいう葉書はページを開くじゃまになるのでその場で捨ててしまいますが、とっておいてそのまま古本屋さんに出す人もいるんですねえ。


 帯が破れていたりすると古書価が下がるのは知っていますが、この種の葉書がはさまっていると、五十年くらい先には古書価が上がる理由になったりするんでしょうか。


 もしそうであれば、五十年先の古書市では、あらゆるマンガ単行本のページを開くと、その時点では実物はいいお婆さんになっているアデランスの吉岡美穂さんがにっこりとほほえんでいるのに出会えるのではないでしょうか。


 往事茫々、それはそれでまたいい気がします。わたくしはすでにこの世の人ではないけれど。


 ちなみに金子信雄レシピは、わたくしにはちょっと脂っこくて味が濃いぞ。